この本は98年に出版されてるんですが、いいでしょう?まず、タイトルが!
CHUTINGとはもちろんシュートの事!!!前文では、まずアンドリューのママが「あんたたち、こんな気違いじみた本を参考にするもんじゃないよ!」とジョークまじりのゲキを飛ばし、翌99年シシャパンマ遠征で遭難死してしまった、ブラックダイアモンド社の同僚であり、優れたスキーアルピニスト、アレックス・ロウは「これはチープなスリルを味わうためのガイドブックじゃねぇぞ〜、真剣に取り組め!」と言い放っていますね
アンドリュー自身も「これはパウダースキーやスキーツアーのガイドブックでもないし、むしろ岩登りルート集に近いね」と評しています(笑)
構成はこうなっています、、、(例)
シュートの名前:Heart of Darkness
レイティング:S5
ピッチ:48°
アスペクト:West
標高:6,200 ft - 10,400 ft
標高差:500 ft
まず、シュートの名前が紹介されています
日本のルート名のような堅苦しい、○峰○○壁○○○ルートなどではなく、滑降したプレイヤーの心意気が伝わってくるような微笑ましいルート名なのです(いまをときめくGIRI GIRI BOYSのルート名はいいですよねぇぇぇ)
そして、レイティングですが、これが面白い!
アンドリューが用いているのはヨーロッパ発といわれたSシステム、これをコロラドの重鎮Lou Dawsonとカリフォルニアの名スキーガイドBela Vadaszによって改良されたものらしい
こちらは①アプローチの困難度と、②斜度から構成されており、スキーコンディションは常に一定、つまり滑れるコンディションという想定だ
アプローチグレードⅠーⅦ
Ⅰ:リフトからアクセスできたり、駐車場からすぐなど(いわゆるサイドカントリー)
Ⅱ:マウンテニアリングを含む場合でも、1日でアクセスできる(ワサッチのグレード)
Ⅲ:数日かかる場合もあり、テクニカルな場合もある
Ⅳ:数日かかり、氷河やロープを積極的に使うルートがある
Ⅴ:ⅠからⅣの要素すべてがハードになり、標高が関わってくる
Ⅵ:遠征要素が強く、クレバスレスキュー、クライミングスキルなどを強いられる
Ⅶ:アプローチ中に死ぬこともある(マジっすか!)
斜度グレードS0ーS8
S0:ゴルフコース
S1:緩〜い感じ
S1+:スキー場で言う初心者コース
S2:25°ほど
S2+:25°の斜面で地形が少し複雑
S3ー:マックス30°
S3:35°ほど
S3+:複雑な地形で35°程度
S4ー:35°〜45°の斜面でランアウトが安全で地形の罠も少ない
S4:35°〜45°で滑落すると危険な地形
S4+:コンスタントに45°弱の斜面で、地形も複雑で滑落は避けたい
S5ー:コンスタントに45°を保つ
S5:45°〜55°の斜面で滑落は生命の危機
S5+:55°ほどの斜面で滑落はアウト
S6ー:ほぼ50°越えの斜面が続き、所々55°よりスティープ
S6:常に55°を越える斜面で滑落はキレイな死に方ができない
S6+:55°程度の斜面にクレバス、樹木、クリフなどの障害がある
S7:60°の斜面!!!(ついにきたぁ)
S7+:60°でかつ障害多く、滑落⇒即死
S8:The Future
これに、Aレイティング、つまり懸垂下降などエイドの要素を絡ませている
つねに議論されるところで、ビレイ、懸垂、やダウンクライムをするような滑りは滑降じゃねぇよ!という人もいるけどマウンテニアリングには必須でしょう!!!
そして、ピッチというのは最大斜度のこと、
アスペクトは言うまでもなく向き、
標高もアプロローチから山頂までの標高を明記してあり、
標高差は言うまで無いですね
まあユタには素晴らしいアバランチステーションがあるので、ローカルは毎朝そのインフォをゲットしてから、これらファクターと吟味させてから登っていますねぇ
じゃあ、日本の山岳滑降におけるグレーディングはどうなってるの???
例えば、新井裕己氏の
鹿島槍ヶ岳北壁正面ルンゼ Doze in Heaven
アプローチ:Ⅲ
レイティング:S6ー A
備考:オンサイト
最大斜度:55°〜60°
向き:北
標高:アプローチにより変動
標高差:約1000m
みたいな感じ???
とにかく、山岳滑降は危険なので良い子のみんなは止めましょう!とは言いません!!!
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